【性同一性障害】
性同一性障害は、英語の「Gender identity disoorder」を直訳した医学用語。頭文字をとって「GID」と略されることもある。「性同一性障害(GID)」は、性自認(こころの性)と生物学的性(からだの性)が一致していない状態にある「トランスジェンダー」の中でも、生物学的性に違和感や嫌悪感が強く、性別適合手術などの医療的処置を必要とする人の診断名。「Gender identity disoorder」を直訳した為、「障害」という名前が付いているが、実際は病気でも障害でもなく、多様な性の在り方のひとつである。
性同一性障害が起きる仕組みは未だ全ては解明されていないが、胎児期に何らかの原因で体の性別とは別の方向へ脳の性分化が進むと考えられている。
現在でも性同一性障害は「親の育て方や環境によってなるもの」、または「後天的になるもの」と誤認されている事が多いが、性同一性障害は先天的なものであり、自分の意志や、環境、育て方によってなるものでも、誰かが「性自認」を変えられるものでもない。また、本人が好んでそうなっている訳でもない。
2019年に開かれたWHO(世界保健機関)の総会で、WHOの国際疾病分類最新版(ICD-11)より、性同一性障害は精神疾患から外れ「性の健康に関する状態」という分類になった。それに伴い「性同一性障害」も、「性別不合」または「Gender Incongruence(GI)」という診断名へ移行しつつある。